こんにちは。管理栄養士のtanukiです。
現代社会において、頭脳労働は必須。
毎日、身体だけでなく脳もくたくた。疲れたから、甘いものでも食べながら休憩しよう…
そんな私に対して、あの人はどうしていつまでたっても集中力が切れずに仕事や勉強を続けられるのかしら?
私にも、もっと集中力があれば仕事や勉強がはかどるのに!
このような悩みは、きっと筆者だけではないはず…
パフォーマンスを上げるには、睡眠?休憩?いったいどのようなことに気を付けたらよいのでしょうか。
脳のパフォーマンスには、もちろん睡眠による脳の休息は必要不可欠ですが、実は栄養も大きくかかわっていることが明らかに!
食生活のちょっとした工夫で、あこがれの集中力を手に入れられるかも…?!
脳が喜ぶ食生活を知り、いつもよりスッキリした1日を過ごしてみませんか?
脳のパフォーマンスの指標「fMRI 」
fMRIとは、脳の活動を評価する方法で、脳の活動に伴う神経代謝や脳血流量の変化を測定します。
これにより、ある食品を摂ったときに脳内のどの神経細胞が活性化されるのかを確認することが可能に。
結果として、DHAや、ビタミンB群などの摂取が脳機能の向上につながるであろうことが判明しました。
脳のために摂りたい栄養素
① 脳のパフォーマンスを支えるブドウ糖
脳は全身で使われるエネルギーの約20%を消費しています。
私たちはエネルギーを食事から摂る必要があり、たんぱく質、脂質、炭水化物がエネルギーの源です。
しかし、脳のエネルギー源は中でもブドウ糖のみ。
ブドウ糖は、炭水化物を分解して得ることができます。
万が一ブドウ糖が不足してしまった場合、肝臓に蓄えられているたんぱく質や脂質を分解してエネルギーが供給されます。
ブドウ糖は、炭水化物の中でも体内への吸収が速いのが特徴。
つまり、ブドウ糖の多量摂取は血糖値の急上昇につながります。
ところが、脳のパフォーマンスを安定させるには血糖値を上げすぎないことが重要なのです。
そのため、甘いお菓子類やジュースは避け、比較的に穏やかに吸収される米やパンなどの穀類や豆類、イモ類などの炭水化物からブドウ糖を得るようにしましょう。
② ブドウ糖だけじゃない!たんぱく質でやる気UP!
たんぱく質は、脳の神経伝達物質の材料となります。
神経伝達物質は脳の活動に必要不可欠で、不足すると集中力が低下したり、やる気喪失につながることも。
ただし、神経伝達物質の材料となる物質は熱に弱いという性質を持ちます。
そのため、生卵や刺身など、良質なたんぱく質を生のまま摂れると良いですね。
③ ビタミンB群
ビタミンB群の中でも、特にビタミンB6と葉酸は不足しやすく、脳にとって重要な役割を果たしています。
神経伝達物質の合成に大きくかかわっており、不足すると集中力が低下したり、不眠の原因になることも。
ビタミンB6はカツオやマグロなど、葉酸はレバーや海苔などに多く含まれます。
しかし、こちらも同様に熱が加わると変性してしまうことがあるため、カツオのたたきやマグロの刺身など、生食がおすすめです。
④ 脂質
特にn-3系脂肪酸のひとつであるDHA(ドコサヘキサ塩酸)は、とても重要な脳神経細胞膜の構成組織のひとつ。
また、認知機能に関する神経細胞の活性化にも作用します。
DHAはサバやサンマなどの青魚、エゴマ油などに多く含まれます。
しかし、エゴマ油は非常に酸化しやすく、日持ちしないため注意が必要です。
日本人は葉酸とDHAの不足に注意
日本人の約15%が、葉酸とDHA(ドコサヘキサ塩酸)が極めて不足しやすい遺伝子多型であるといわれています。
前述のとおり、葉酸とDHAは脳のパフォーマンスにとって欠かせない栄養素です。
さらに、日本では他国に比べて認知症や脳卒中の発症率が高く、葉酸とDHAの不足が大きな原因のひとつであるとされています。
日本でも葉酸とDHAの積極的な摂取が求められますが、食事からだけではなかなか難しいのが現実。
そのため、食事の工夫もしつつ、補助としてサプリメントや強化食品の利用を検討しても良いかもしれませんね。
脳にとって快適な生活を
ここまで脳のために必要な栄養素についてご紹介してきましたが、みなさんご存じの通り、睡眠によって脳を休ませてあげることも大切。
脳のパフォーマンスの維持・向上には、良質な睡眠が欠かせません。
バランスのよい食生活と良質な睡眠を確保して、元気な脳で清々しい生活を送りたいですね!
まとめ
脳のパフォーマンスの指標として、「fMRI」が注目を集めており、ある食品を摂ったときに脳内のどの神経細胞が活性化されるのかを確認することができます。
その結果、脳のために摂るべき栄養素がわかってきました。
特に重要な栄養素は以下の4つ。
① ブドウ糖
ブドウ糖は炭水化物の分解によって得られ、脳にとってのエネルギー源となります。
ブドウ糖の摂取は血糖上昇につながるため、甘いお菓子類やジュースは避け、比較的に穏やかに吸収される米やパンなどの穀類や豆類、イモ類などを不足なく摂るようにしましょう。
② たんぱく質
たんぱく質は、脳の神経伝達物質の重要な構成要素。
生卵や刺身などの良質なたんぱく質を積極的に摂りましょう。
熱に弱い性質を持つため、生のまま摂るのがおすすめです。
③ ビタミンB群
中でもビタミンB6と葉酸は不足しやすく、とても重要な役割を果たしています。
ビタミンB6はカツオやマグロなど、葉酸はレバーや海苔などに多く含まれ、熱により変性してしまうため、生での摂取が望ましいでしょう。
④ 脂質
特にn-3系脂肪酸のひとつであるDHA(ドコサヘキサ塩酸)は、とても重要な脳神経細胞膜の構成組織のひとつ。
DHAはサバやサンマなどの青魚に多く含まれています。
また、バランスの良い食事と合わせて、質の良い睡眠をしっかりと確保しましょう。
脳が喜ぶ食生活で、頭脳労働が必須の現代社会を生き抜きましょう!
参考
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