こんにちは。管理栄養士のtanukiです。
「腸活」という言葉、みなさんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか?
日々の健康や美容のために腸を整える「腸活」に関心が高まっています。
そんな中、実は腸の健康が、人生の幸福に大きく影響していることがわかってきました。
今回は、腸を整える生活習慣のポイントに加え、腸活の新たな一面をご紹介。
健康や美容だけじゃない!腸活で幸せになれる秘密を紐解いていきましょう。
腸活とは?
私たちの腸内には、約100兆個もの腸内細菌が存在しています。
腸内細菌は役割によって「善玉」「悪玉」「日和見(ひよりみ)」に分類され、善玉菌はその名の通り体にとって良い影響を与え、逆に悪玉菌は体にとって有害な菌です。
腸内に最も多く存在しているのが日和見菌で、善玉と悪玉の優勢な方に味方します。
菌の種類は様々で、例えば善玉菌は、免疫力を高めるものや、消化吸収を助けるもの、さらに血圧や血糖の上昇を抑えてくれるものなど。
悪玉菌の働きを抑制し、善玉菌が活発に働けるように腸内の環境を整えることが「腸活」です。
では具体的にどのようなことをすれば良いのか、腸活に重要なポイントを4つご紹介します。
腸活に重要な4つのポイントとは?
① 脂質・塩分・砂糖を摂りすぎない
腸内環境を整えるうえで重要なのは、悪玉菌を活発化させないこと。
動物性脂質や砂糖は悪玉菌の好物です。
また塩分過多の食生活は、善玉菌を減少させてしまいます。
脂っこい料理や味の濃い料理、お菓子の摂りすぎには注意が必要ですね。
② 水溶性食物繊維を積極的に摂る
食物繊維には「水溶性」と「不溶性」があり、水溶性食物繊維は善玉菌の大好物。
水溶性食物繊維とは、その名の通り水に溶け、便秘解消など嬉しい効果を持ちます。
さらに善玉菌を育ててくれるので、積極的に食事にとり入れましょう。
多く含む食品として、全粒穀類や海藻・きのこ類があげられます。
普段食べている白米に、玄米やもち麦などの全粒穀物を混ぜてみるのも良いですね。
また、もち麦は茹でてサラダやスープに入れても美味しく食べられますよ。
③ 体内時計を整える
体内時計と腸内環境は、互いに大きくかかわりあっています。
体内時計の乱れは善玉菌の減少を引き起こすといわれており、腸内環境の悪化につながります。
体内時計を整えるためには、規則正しい食生活が必要です。
朝は活動のスイッチを入れるために、たんぱく質を中心としたメニューを選ぶとよいでしょう。
さらに、夕食は睡眠の2時間前には食べ終え、リラックスして睡眠に入ることで、体内時計を整えることにつながります。
また、質の高い睡眠には、寝る前にメラトニンという睡眠ホルモンが分泌されることが重要となります。
メラトニンの生成には善玉菌が大きくかかわっており、腸内環境を整えることが快眠を助けることにつがっているのです。
④ 適度な運動を心掛ける
適度な運動習慣は、善玉菌の増加を促すといわれています。
身体を動かすことで血流がよくなり、腸の蠕動運動も活発に。
激しい運動は必要なく、ウォーキングなどでOKです!
小分けでもOKですので、1日30分を目安に生活にとり入れてみましょう。
腸活で幸せになれる秘密とは?
さて、腸活のポイントがわかったところで、ここからは腸活を行うことで一体どんな素敵な未来が待っているのか、お話していきましょう。
腸活の素晴らしさを語るうえで外せないのが、「脳腸相関」。
脳がストレスを感じることで消化器症状が起こったり、逆に消化器が不調になると精神も不安定になるったりと、脳と腸は互いに密接にかかわっているという考え方です。
緊張してお腹が痛くなったり、お腹の調子が悪く仕事や勉強のやる気が失せてしまったりといったことはよくある話ですよね。
腸は第二の脳ともいわれています。
大げさに感じるかもしませんが、人の感情は腸内環境に大きく影響されているのが事実。
脳だけでなく、腸のご機嫌をとってあげることで、自分の感情を支配できるというわけなのです。
私たちは日々、無意識のうちにも数々のストレスにさらされています。
そんな毎日を過ごす中で、幸福を感じるために欠かせないのがセロトニンというホルモン。
幸せホルモンとも呼ばれ、不足するとストレスへの耐性が弱まり、イライラしやすくなったり、やる気が出なくなったり、うつの原因にもなりかねません。
精神状態の安定を保ち、日々を穏やかな気持ちで過ごすためには、セロトニンが必要不可欠。
セロトニンは、食物から得た材料をもとに主に腸で作られます。
セロトニンを作るためには、トリプトファンという材料が必要です。
そして、このトリプトファンは腸内細菌によって作られるため、セロトニンの生成には腸内環境が大きなカギを握っていると言えます。
そして驚くべきことに、セロトニンの約90%が腸内に存在しているのです!
残りの内訳は、約8%は血小板、約2%が脳。
脳に存在するセロトニンはたったの2%ですが、幸せのためには脳にセロトニンが充足していることが大切です。
そしてそのためには、セロトニンの工場ともいえる腸内環境を整え、善玉菌が活発に働ける環境を作ってあげる必要があります。
つまり、腸内環境を整えることは、幸福な人生への第一歩ともいえるでしょう。
まとめ
腸活とは、悪玉菌の働きを抑制して善玉菌が活発に働けるように腸内の環境を整えること。
腸活のポイントは大きく4つ。
① 脂質・塩分・砂糖を摂りすぎない
② 水溶性食物繊維を積極的に摂る
③ 体内時計を整える
④ 適度な運動を心掛ける
腸は第二の脳ともいわれ、「脳腸相関」という考え方が広まっています。
脳と腸は互いに大きく関与し合っており、私たちの感情は脳だけでなく腸に大きく影響を受けているようです。
感情の中で、最も大切にしたいともいえる幸福感。
腸内細菌は、私たちの幸福感に欠かせないセロトニンというホルモンの生成に大きく関与しています。
つまり、腸内環境を整えることが幸せな人生につながるといえるでしょう。
実際に、腸内環境を整えるための生活を送り始めると、セロトニンが分泌されているという感覚はつかめませんが、お腹だけでなく気分もすっきりして、活力が湧いてくる感覚があります。
眠い、だるい、特に何もせずなんとなく過ぎていく時間が減り、料理を楽しむ、寝る前に本を読む、今までやろうと思いつつ手を付けられていなかったことを、今日やってみようかなと思える日が増えました。
有意義な時間を過ごせている感覚を得ると、さらに健康意識が高まり、作り出した時間を使って更なる健康行動を起こし始めます。
著者の体感では、「腸活で幸せになれる」ということは、「腸活によって活力に満ちている時間が増える」ということだと感じます。
もちろん体感の差はあると思いますが、少なくとも腸が感情に影響を与えているという研究結果を体感することはできるのではないでしょうか。
みなさんも腸内環境を整えて、活力に満ちた有意義な時間を堪能する幸せを感じてみませんか?
参考
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