こんにちは。管理栄養士のtanukiです。
みなさんは習慣的に果物を食べていますか?
ビタミンたっぷりで体に良いイメージがある反面、糖分を多く含むため太ってしまうといった悪いイメージを持つ人も多いのではないでしょうか?
果物は健康に良いからと、こたつでついついミカンを食べ続け、気づけば皮の山が積みあがった…
水分補給になるからと、のどの渇きに身を任せて食べ続け、気づけばスイカをひと玉食べつくした…
ここまで極端な例でなくても、果物の食べすぎを経験したことがある方も多いはず。でも、体に良いんでしょう…?
今回はそんな、果物に対するもやもやを解消します!
果物との付き合い方を知り、よりよい食生活を目指しましょう!
果物を摂るメリット
果物を摂るメリットといえば、「ビタミン、ミネラル、食物繊維、酵素が手軽に摂れる」ことでしょう。
野菜などほかの食品からも摂れますが、果物は生で量を摂りやすく、優秀な食品といえるのです。
ビタミン
ビタミンCは、脂質の代謝やホルモンの生成などに重要な役割を持つほか、コラーゲンの生成や鉄の吸収を助ける働きも。
体にとって大切なビタミンCですが、人間の体内では生成できず、食品から摂る必要があります。
ビタミンCは、果物や野菜、ジャガイモやサツマイモなどに多く含まれますが、熱に弱く加熱調理で破壊されてしまったり、水に溶けやすい、光や空気に影響を受けやすいなどといった性質を持つため、摂取するのは意外と難しいのです。
果物は生で摂りやすく、ビタミンCを効率よく吸収するにはうってつけ。
中でも、柑橘類やいちご、キウイなどには特にビタミンCが豊富に含まれます。
ミネラル
ミネラルの中でも、果物にはカリウムが豊富。
カリウムは、体内の電解質バランスを整え、ナトリウムの排泄を助けます。
塩分を摂りすぎてしまった時の味方です。
野菜にも多く含まれますが、カリウムもビタミンCと同様、水に溶ける性質を持つため、生で食べやすい果物がぴったり。
食物繊維
食物繊維は、水溶性と不溶性の2種類に分類されます。
水溶性食物繊維は、糖や脂肪の吸収をおだやかにする働きがあります。
また、腸内環境を整えてくれる作用も。
不溶性食物繊維は、腸の働きを活発にして便秘解消に働きます。
果物には水溶性食物繊維が多く、特にキウイやイチゴ、りんごやパイナップルに豊富です。
酵素
酵素は体内で食物の消化吸収に大きくかかわっており、体内で生成されるものと食物から得られるものがあります。
食物の中でも野菜や果物、発酵食品などに多く含まれますが、熱に弱い性質を持つため、酵素を摂りたいときは生で食べるのが原則。
体内で生成される酵素の量は年齢とともに減少するとされており、食物からの摂取がより重要です。
果物を摂るデメリット
デメリットは、「食べ過ぎによる健康被害」が大きいこと。
果物には、果糖と呼ばれる糖が多く含まれます。
糖の種類にはいくつかありますが、中でも果糖は結合の少ない構造をしているため吸収がはやく、摂取後エネルギー源として使われやすいのが特徴です。
しかし、エネルギーとして使われなかった分は、内臓脂肪として蓄積されやすいため食べ過ぎには要注意。
果汁100%ジュース・ドライフルーツ・缶詰でもOK?
果物はすぐに傷むし、高価だから生活に取り入れるのはちょっと…
生の果物の代わりにジュースやドライフルーツ、缶詰の果物でもよい?
答えはNoです。
果物がさまざまな病気の予防に役立つという研究結果が出る中、フルーツジュースは果汁100%であったとしても、健康によいという調査報告はありません。
それどころか、糖尿病のリスクを上昇させてしまうということがわかっています。
というのも、果物には血糖低下作用のある食物繊維が豊富に含まれていることは先ほどお話しました。
しかし、フルーツジュースの加工過程で食物繊維を完全に保つことはできず、生の果物をそのまま摂ったときと同じような効果は期待できないのです。
濃縮還元と記載のあるものは、果物の美味しい部分をぎゅっと集めており、糖分を多く含むため、さらなる警戒が必要といえます。
一方ドライフルーツや缶詰の果物はというと、加工過程で糖分が多くなるため注意。
厚生労働省では、お菓子などの嗜好品に分類しています。
果物は摂るべき?
果物には体にとって有効な成分がたくさん。
ですが、果物からしか摂れない栄養素というものはなく、必ずしも果物を摂るべきであるとはいえないでしょう。
なぜなら、果物は食べ過ぎるとリスクになりやすいから。
高価であり、なおかつ傷むのが早い果物。
捨てるのはもったいないからと、まとめて食べることになってしまった経験はありませんか?
厚生労働省によると、果物の摂取目安量は1日200g。
りんごやオレンジだと小さめ1個分ほど、温州みかんのような小さいみかんだと約2個分に相当します。
果物の摂りすぎは内臓脂肪を増加させ、その結果、生活習慣病のリスクを高めることに。
体に良いと思って食べたはずなのに、こんなはずじゃなかった…という多くの方を目にしてきました。
習慣的に果物を摂らずとも、野菜をたっぷり摂り、イモ類や発酵食品などを不足させないことなどで、健康的な食生活を目指せると考えられます。
ですが、適量の果物は体にとって良い働きがあることは事実。
カットフルーツを購入する、誰かと分けて食べる、甘くて美味しい品種ではなく酸味が強いものを選ぶなど、食べ方を工夫して適量を摂ることで、健康な食生活を手助けしてくれます。
また、15時のおやつにクッキーやケーキなどを食べる習慣がある場合、果物で代用することができれば、よりよい食生活への第一歩といえるでしょう。
まとめ
果物にはビタミン、ミネラル、食物繊維、酵素が豊富に含まれ、不足しがちな栄養素を手軽に摂れるのが大きな魅力。
さらに、これらは熱に弱いなどの性質から摂取が不足しがちですが、果物は生で食べることが多く、効率よく摂ることができます。
ですが、果物の食べすぎによる健康被害は無視できません。
果物からしか摂れない栄養素はなく、多量摂取によるリスクが高いため、必ずしも果物を摂るべきとはいえないでしょう。
果物には果糖とよばれる糖が多く含まれ、摂取後にエネルギー源として使われやすい反面、エネルギーとして使われなかった分は、内臓脂肪として蓄積されやすいという特徴を持ちます。
内臓脂肪の増加は、さまざまな生活習慣病の原因となります。
そのため、1日200gを目安に適量を摂ることが重要です。
適量を守ることさえできれば、果物は健康に大いに貢献してくれるでしょう。
また、残念なことに果汁100%であっても、フルーツジュースやドライフルーツ、缶詰の果物は健康に良いという研究報告がありません。
それどころか、糖尿病を助長することに。
適量の果物は、さまざまな疾患のリスクを低下させることがわかっています。
カットフルーツを購入する、誰かと分けて食べる、甘くて美味しい品種でなく酸味が強いものを選ぶなど、食べ方を工夫して適量の果物を摂ることで、健康な食生活に一歩近づくことができるでしょう。
参考
糖尿病ネットワーク 果物でビタミン補給、食物繊維、ポリフェノールも豊富
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